通勤費(通勤手当)と交通費の違いって?

06_賃金・賞与

こんにちは、みのりです。

コロナの影響で在宅勤務が一気に進みましたね。
その流れで通勤費(通勤手当)の支給から、出社した分だけ交通費を精算するよう切り替える会社も出てきました。

うーん…
通勤費と交通費って違うものなの?

通勤費と交通費は、何がどう違うのか悩むところ。
今回は、その違いについて書いてみたいと思います。

通勤費とは

通勤費とは、従業員が職場に出社(=通勤)する際の費用補助を目的として、全額または一部の費用を支給するもので「通勤手当」とも言います。
支給方法は、通勤経路に応じた現金の支給(振り込み含む)または定期券を現物支給することもあります。

通勤費は給与の一部なので

人件費

で処理するよ!

支給基準は就業規則等でルールを設定

通勤費(通勤手当)の支給については会社が任意で決められます。
全額支給もあれば、上限額の設定もできる。
〇km以上の場合は支給するという設定もできます。

支給する金額は給与に該当するので、就業規則や賃金規程に通勤費に関する項目を明記して支給する根拠にします。

通勤費は一定額まで非課税になる

通勤費(通勤手当)は給与にあたるため、社会保険料や所得税の課税対象になります。

通勤費(通勤手当)は、実費相当額が支給されるため、一定額まで非課税になるよ

公共交通機関の場合

1か月15万円までが、非課税の最高限度額になります。
「最も経済的かつ合理的に認められる通常の通勤経路」に対して支払われることが前提となっており、電車の場合、普通運賃と特急料金は非課税対象となりますが、混雑緩和のためにグリーン車を利用した場合の「グリーン料金」は対象外とされています。

週3日以上の通勤だと、定期券代支給の方が良さそうだよ

私鉄やJRで定期券の割引率が変わってくるので、日々精算がいいか、定期券代がいいかチェックしておくといいですよ。

マイカー通勤の場合

自家用自動車などを使用する場合は、片道の通勤距離により非課税限度額が変わります。

2km未満(全額課税
2km以上10km未満4,200円
10km以上15km未満7,100円
15km以上25km未満12,900円
25km以上35km未満18,700円
35km以上45km未満24,400円
45km以上55km未満28,000円
55km以上31,600円

全額が課税されるとき

時給や基本給に「通勤費込み」としている場合は非課税の上限額は適用されず、全額課税対象となります。

交通費とは

交通費は、取引先等への訪問や事業所間の移動をした際に利用する交通料金(電車、バス、タクシー、飛行機など)や駐車場代にかかる費用のことです。

交通費は
経費

で処理するよ!

費用処理する場合は、旅費交通費や出張旅費といった勘定科目で処理します。
なお、業務をするための移動が前提なので、例えば、出張先でプライベートの理由で移動した際の交通費を会社が支給する場合は交通費ではなく「給与(=課税対象)」になってしまいます。

交通費の支給基準も諸規程が必要

業務に伴う交通費は、労働基準法第89条の「労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項」の「その他の負担」に該当すると言われており、交通費が発生したら精算することが前提となります。

ですので、出張旅費に関する諸規程を作成し、支払う根拠にします。

精算期限は決算を意識しておく

あ…
交通費精算するの忘れちゃったよー

交通費の精算を後払いにした場合、手続きの面倒くささから従業員が精算を後回しにしてしまうことがあります。
ですが、交通費は経費であること、そして、チリツモで案外高額になることから、決算をまたがった精算は会計狂わせてしまう恐れもあります。

従業員が立て替えている以上、精算しないわけにはいかないので、社内ルールどおりの精算が守られるように理解を促していくことが大事になってきます。

通勤費から交通費に切り替える理由は?

テレワークの普及に伴い、通勤費から交通費の支給に切り替える会社が出てきました。
考えられる理由として、以下が考えられます。

  • 本拠地や職場が定まらないため
  • 通勤費の支給を定期券代にしているため
  • 社会保険料の削減のため

本拠地や職場が定まらないため

テレワークにした時に、介護などの理由がある人は就業場所が自宅だけでなく実家等になる場合があります。
また、サテライトオフィス化でどこで働いても良いとしている会社もあります。

場所に縛られない働き方の場合、通勤の「自宅」や「職場」の特定が難しく、交通費で精算する方が適切な処理ができます。

通勤費の支給を定期券代にしているため

公共機関を利用した通勤については、日々の実費を支給するよりも、例えば6か月ごとに定期券代(または定期券の現物)を支給する運用になっています。
テレワークが中心の働き方になると、この運用では「支給しすぎ」になってしまうので、日々の実費精算の方が適正な処理ができます。
(この理由だけだと通勤費として日々の精算で良いと思う。)

社会保険料の削減のため

これは調べていて「なるほど」と思いました。
通勤費(通勤手当)は給与になるので、社会保険料を決める時の報酬に含まれます。
テレワーク前提の働き方に伴い、通勤費から交通費に切り替えることで標準報酬月額の段階が下がる(=労使ともに社会保険料の負担額が減る)ことになります。

将来貰える年金額が下がる事にもなるので事前に説明た方が良いです

おわりに

このように、通勤費(通勤手当)=人件費、交通費=経費という違いがありました。
テレワークは場所に縛られない働き方になるので、交通費という考え方の方が馴染むのかもしれません。

一方で、所得税が非課税になる、将来の年金受給額に影響があることを考えると、自宅、就業場所が定まっている時は通勤費で処理する方がメリットもあるようにも思います。
自社の状況に応じて、判断していくのが良さそうです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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