有休(年次有給休暇)は社員でもアルバイトでも付与するもの

05_労務・就業管理

こんにちは、みのりです。

新年度(4月)が始まって間もなく3か月が経ちますね。
有休(年次有給休暇)は入社後6か月したら付与するものですが、勤怠状況の把握などは今のうちから整えておきたいもの。

今回は有休(年次有給休暇)について書いてみたいと思います。

有休(年次有給休暇)とは

「有休」の正式名称は「年次有給休暇」と言って、労働基準法によって休暇を付与する日数やタイミングが定められています。

「有給」というのは、休んでもその日は1日分のお給料相当のお金を出しますよという意味。
休暇の種類によっては、休むことは認めるが「無給」だよ、という休みもあります。

また、会社を休むという点では「休日」もあります。
その違いは、休む日が労働義務のある日なのか、ない日なのかということになります。

労働義務のある日(勤務日)に休むのが 休暇 になるよ

休暇を付与する対象者は誰になるのか

社員、契約社員、パート、アルバイトなどの雇用形態にかかわらず雇用している従業員に対しては全員付与するもの、と考えます。

ただし、週30時間未満で契約している人で以下に該当する場合、契約している勤務日数(所定労働日数)によって付与される有休の日数が変わってきます。

  • 1週間の所定労働日数が4日以下
  • 1年間の所定労働日数が216日以下
    (週以外の期間で所定労働日数が定められている人)

所定労働日数によって有休の付与日数が変わるのを 比例付与 というよ

付与するタイミングと日数

有休(初回)は以下の両方を満たすと付与されます

  • 入社後、6か月継続勤務すること
  • その間の出勤率が8割以上あること

有休が付与された後は、以降、1年ごとに継続勤務して出勤率が8割あることが要件となります。

付与する日数は、初回は10日(比例付与の場合は1~7日)で、勤続に応じて増えていき最大20日となります。

なお、有休の日数を定める労働基準法は「最低限の労働条件」を示しているので、労働者にとってプラスになるならこの条件以上のものを設定して良いということになります。

例えば

  • 付与日数を多くする
  • 付与する基準日を早める

ということがあるよ

「付与する基準日を早める」というのは、例えば、年度の途中で入社した人に対しても、新年度を迎えたら有休を付与するといったことです。

特に中途採用の多い企業は、入社者一人ひとりの有休付与日を追っていくのは大変です。
新年度に一斉に年次休暇を付与する方がミスやモレもなくなり事務効率も高まるので、そういった運用を検討してみてもいいと思います。

有休を時間単位で取得できるようにしたいとき

有休は1日単位で消化していくのが基本となりますが、労使協定を締結した場合は時間単位で使用できるようになります。

労使協定で定める事項は以下のとおり

  • 時間を単位として有休を与えることができる労働者の範囲
  • 時間を単位として与えることができることとされる有休の日数
    (5日以内に限る)
  • 時間を単位として与えることができることとされる有休1日の時間数
    (1日の所定労働時間)
  • 1時間以外の時間を単位として有休を与えることとする場合には、その時間数

労使協定は監督署に届出しなくてもいいよ

なお、半日休暇を設定する場合は労使協定を締結する必要ないです。
運用が不慣れなうちは半日休暇の方が管理しやすいと思います。

10日中5日は消化してもらわないといけない

労働基準法の改正により、2019年4月から法定で付与する休暇日数が10日以上の人については、管理職であろうが契約社員であろうが、毎年、必ず5日分を消化してもらわないといけなくなりました。

取得してもらう方法は、

  • 従業員が自ら請求する
  • 労使協定で休暇取得日を計画する(計画年休)
  • 会社が休んでもらう日を指定する(時季指定)

のいずれかになります。

計画年休や時季指定をする時は決める前に従業員の意見をきくのを忘れずに!

このいずれかの方法で合計5日になれば法律の要件を満たせます。

気をつけたいのは、先の時間単位の休暇はこの5日の対象にならないこと。
1日単位で休むのが前提となります。

オススメは夏休みの期間。
お盆休みとして一斉に休む、または1~2か月の間で5日とってもらうようにするなど。
一斉に休むと電気代の節約にもなりますよ。

参考
厚生労働省:働き方改革特設サイト「年次有給休暇の時季指定

有休(年次有給休暇)の与え方

対象期間・8割出勤が休暇付与の条件

有休(年次有給休暇)は、入社後半年、以降は1年ごとに出勤率が8割だった場合に付与されます。

「出勤率8割」の出し方は、労働日のうち出勤した日数 ÷ 対象期間の総暦日数
分母・分子のそれぞれで何を含んで、何を含まないのか混乱しやすいので要注意です。

労働日のうち
出勤した日数
含めるもの
・年次有給休暇使用日
・産前産後休暇の取得期間
・育児休業期間
・介護休業期間
・業務上負傷し又は疾病にかかり
 療養のために休業した期間
・労働者の責に帰すべき事由に
 よるとはいえない不就労日

休日出勤は出勤した日数に含めない

対象期間の
総暦日数に
含まないもの
・就業規則に定められた所定休日
・代休(代替休暇)を取得し
 終日勤務しなかった日
・労働者の責に帰すべき事由に
 よるとはいえない不就労日で
 出勤日数に算入するのが
 相当でないもの
 例:使用者側に起因する休業、
   ストライキ等で労務の
   提供が全くなかった日

休暇取得日の「有給」はいくらになるか

有休(年次有給休暇)を取得した時の賃金は、以下の3通りのいずれかの方法で出していきます。

  • 平均賃金
  • 通常の賃金
  • 標準報酬月額の1/30日の相当額

平均賃金は、直近3か月の給料の合計金額を3か月の暦日数の合計で割った金額だよ

休暇取得状況の管理

有休(年次有給休暇)には取得状況を管理するよう求められています。

厚生労働省が出している管理台帳はこんな感じ

私が勤めていた会社では、表面を年次有給休暇、裏面を特別休暇や忌引きなどの年次有給休暇以外の休暇を書けるようになっていました。

紙は毎年発行しなくてはいけないことや回収などの手間がかかるので、可能であればシステム化していくことをオススメします。

書類の保管期限は3年間だよ

休暇付与に関する罰則

うちの会社まだ小さいし、

休暇ないから~
ムリムリ!

なんて思っていたら危険です。

労働基準法で以下に該当した場合は罰則が適用されるので要注意です。

労働者の請求する時季に
所定の年次有給休暇を
与えなかった場合
6か月以下の懲役
または30万円以下の罰金
(労働基準法第119条)
年5日の年次有給休暇を
取得させなかった場合
30万円以下の罰金
(労働基準法第120条)
使用者による時季指定を
行う場合において、
就業規則に記載していない場合
30万円以下の罰金
(労働基準法第120条)

おわりに

働き方改革の流れで、仕事の生産性と従業員個々人の事情に応じた働き方の両立がより一層求められるようになりました。

有休(年次有給休暇)の目的は、仕事を離れて心身をリフレッシュすること。
リフレッシュすることで、仕事への集中力を高めていくこともできます。

また、休める体制を作ることはチームで仕事ができる体制を整えることになるので、強いチームづくりにも繋がっていきます。

休暇のいい面をうまく活かしていきたいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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