こんにちは、みのりです。
日増しに暑くなっていきますね。
安全衛生視点では熱中症対策が気になってくる頃です。
熱中症は重篤な症状になると命にかかわってくるもの。
今回は、職場の熱中症対策について書いてみたいと思います。
熱中症とは
厚生労働省が運営しているサイト「職場における熱中症予防情報」によると、
「熱中症」とは、高温多湿な環境下において、体内の水分及び塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、循環調節や体温調節などの体内の重要な調整機能が破綻するなどして発症する障害の総称
と記載されています。
症状は、めまいや立ちくらみ、頭痛から意識障がいといった重篤症状まであります。
症状の重篤度合いによって職場の対応は変わってきます。
Ⅰ度:応急処置と見守り ※めまい、立ちくらみ、生あくび、 大量の発汗、筋肉痛、こむら返り | ・涼しい場所に移動し安静にする ・服をゆるめ体を冷やす ・経口補水液やスポーツドリンク等の補給 (ナトリウムを100mlあたり40~80㎎ 含んでいる飲料) |
Ⅱ度:医療機関へ ※頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、 集中力や判断力の低下 | 医療機関での診療 (救急車を呼ぶ等) ※病院に行く、救急車が来るまでは Ⅰ度の対応をして待つ |
Ⅲ度:入院加療 ※下記の3つのうちいずれかを含むもの ・40℃を超えるような高体温 ・中枢神経症状(意識障害、痙攣発作等) ・肝・腎機能障害(汗が出ない等) ・血液凝固異常(出血が止まらない等) ⇒Ⅲ度の中でも重症型 | 入院加療(場合により集中治療) が必要 |

めまい、立ちくらみ、頭痛がしたら無理せずに申し出てもらう雰囲気づくりが大事だね
熱中症予防指数:暑さ指数(WBGT値)について
職場の熱中症リスクを把握する指標として、暑さ指数(Wet-Bulb Globe Temperature。以下、WBGT値)が活用されています。
WBGT値は、人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で気温の他に湿度や日射・輻射(ふくしゃ)などの周辺の熱環境も取り入れて出されます。(単位は℃)
職場では、作業の強度や作業着などの衣服の種類によってWBGT値が補正され「WBGT基準値」が示されています。
例えば、既往症がない健康な成年男性で熱に順化していない人(オフィス系の業務)であれば以下が目安になります。
32℃ | 区分:0(安静) ・安静、楽な座位 |
29℃ | 区分:1(低代謝率) ・軽い手作業(書く、タイピング、描く、縫う、簿記) ・2.5 km/h 以下での平坦な場所での歩き |
26℃ | 区分:2(中程度代謝率) ・腕と胴体の作業(中くらいの重さの材料を断続的に持つ作業、草むしり等) ・軽量な荷車及び手押し車を押したり引いたりする ・ 2.5 km/h~5.5 km/h での平たんな場所での歩き |
23℃ | 区分:3(高代謝率) ・重量物の運搬 ・5.5 km/h~7 km/h での平たんな場所での歩き ・重量物の荷車及び手押し車を押したり引いたりする |
20℃ | 区分:4(極高代謝率) ・最大速度の速さでのとても激しい活動 ・階段を昇る ・平たな場所で走る ・7km/h 以上で平たんな場所を歩く |
作業着などを使用していれば、基準値に補正がかかってきます。
詳細は「職場における熱中症情報(WBGT値について)」をご確認ください。
テレワークでも熱中症対策は必要

熱中症の4割は家庭で起きてるんだよ
働き方改革やコロナへの対応でテレワークが増えてきました。
自宅で仕事をする時はWBGT値を計ることもできないし、熱中症対策ってどうするのか気になっています。
環境省の「熱中症予防情報サイト」を見てみると、日常生活に関する指針がありました。
※以下の表は温度基準(WBGT値)となります。
31℃以上 (危険) | 外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。 高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。 |
28℃以上31℃未満 (厳重警戒) | 外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。 |
25℃以上28℃未満 (警戒) | 運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。 |
25℃未満 (注意) | 一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。 |
また、家庭ではWBGT値を測定する機材を持てない事が多いと思います。
その時は天気予報などに出る地域の熱中症情報を参考にしてみてもいいかもしれません。
※以下はヤフー天気予報の熱中症情報(2021年6月10日時点のもの)

STOP!熱中症 クールワークキャンペーンとは
このクールワークキャンペーンは重篤な熱中症災害を防止を目的としたキャンペーンです。
厚生労働省が労働災害防止団体と連携して、熱中症予防に関する周知や啓発を行っています。

特に、重点対策として
- 事業場における WBGT 値の把握
- 緊急時の連絡体制の整備
が言われているよ
このキャンペーンは結構、長期戦だなという印象。
4月の準備期間を経て、5月1日~9月30日(7月が重点実施期間)と半年ほどの取り組みになります。
会社にどんな取り組みを求めているか
実施要綱を見てみると、主唱者、協賛者、事業主のそれぞれが実施することが記載されています。
事業主については、以下のとおり。(実施要領 p.4~)
準備期間中 (4月) | ・WBGT 値の把握の準備 ・作業計画の策定等 (暑熱環境下における作業に対する作業計画の策定、 冷房のある休憩室の確保、服装の検討、教育の実施等) ・緊急事態の措置 (緊急時の対応や体調不良時に搬送する病院の把握、 従業員への周知等) |
キャンペーン 期間中 (5~9月) | ・WBGT 値の把握と評価 ・作業環境管理 (休憩室の確保、作業時間の調整等) ・作業管理 (熱への順化、水分・塩分の摂取等) ・健康管理 (教育、睡眠不足など従業員の体調の確認等) ※環境省「熱中症警戒アラート」 |
重点取組期間中 (7月) | ・作業環境管理 ・作業管理 ・健康管理 ・労働衛生教育 ・異常時の措置 |
おわりに
2020年度の熱中症による労災(休業4日以上、死亡)は919人でした。
熱中症は容体が急変することもあるので、予防だけでなく体調不良時の最初のケアはとても重要になってきます。
人は何もしなくても1日2リットル以上の水分を放出しているとのこと。
自分自身で水分を摂ることを気をつけていかないといけませんが、チームメンバーの体調も気にかけてお互いに健康を維持できるようにしていけたらいいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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