中小企業が加入できる労働保険事務組合とは

05_労務・就業管理

こんにちは、みのりです。

労働保険に関する事務は内容もややこしいし、手続きも煩雑。
企業の規模が大きくなれば人事担当者を選任でおけるでしょうが、規模が小さいうちはそうもいきません。

そんな時には労働保険事務組合に事務を委託する方法もあります。
今回は、労働保険事務組合についてまとめてみました。

労働保険事務組合とは

労働保険事務組合とは、法律に基づいて、事業協同組合、商工会、事業主等の団体や連合会といった団体が労働保険事務組合としての認可を厚生労働大臣から受けたものをいいます。
その目的は、中小企業が行う労働保険事務の負担軽減を図るもの。

データは少し古いですが、平成31年3月時点で約9,500団体ありました。

参考:
一般社団法人全国労働保険事務組合連合会「会員事務組合一覧

委託できる業務について

委託できる業務は、印紙保険料に関する事務並びに労災保険及び雇用保険の保険給付に関する請求等の事務を除いた労働保険に関する事務です。

  • 概算保険料、確定保険料その他労働保険料と一般拠出金及びこれに係る徴収金の申告、納付
  • 雇用保険の被保険者資格の取得及び喪失の届出、被保険者の転入及び転出の届出その他雇用保険の被保険者に関する届出等に関する手続
  • 保険関係成立届、雇用保険の事業所設置届等の提出に関する手続
  • 労災保険の特別加入申請、変更届、脱退申請等に関する手続
  • 労働保険事務処理の委託、委託解除に関する手続
  • その他労働保険の適用徴収に係る申請、届出、報告等に関する手続

委託料の相場について

委託料を調べたところ、団体によって相場や計算方法はまちまちでした。
分かる範囲で書くと、50名以下の場合

  • 基本料は3,000円~5,000円
    (基本料の中に事務処理料が含まれる団体もあり)
  • 事務委託費(金額のパターン)は11,000円~50,000円程度
  • 事務委託費(%のパターン)は確定保険料の4~6%程度

という印象。
初回のみ入会金が必要な団体もありました。

商工会議所や業界団体が母体の方が安そう?

そんな印象を持ちました。

委託できる中小企業とは?

労働保険事務組合には誰でも委託できるわけではありません。
業種や雇用する人数によって制限があります。

 50人以下金融・保険・不動産・小売業
100人以下卸売の事業・サービス業
300人以下その他の事業

委託したい事務組合に

労働保険事務等委託書

を提出するよ

労働局からは「事務組合間の委託替えは原則として認めていない」と見解が出てきます。
ですので、委託したい場合は事務組合のサービスや費用などよく検討してからがいいでしょう。

委託するメリット、デメリット

メリット事務の手間が省ける
・手続きが分からなくても処理できる
納付額に関わらず3回の分納ができる
・労災保険に加入することができない
 事業主や家族従事者なども、労災保険に
 特別加入できる
デメリット・給与計算など労働保険以外の業務は
 自分でやらないといけない
・委託後、組合を変えたいと思ってもできない
・人数規模が大きくなったら抜けないといけない
 (個人加入として手続きし直さないといけない)

法律や手続きが分からない、人数が少なくて事務をやる人がいないという状況の中で事務組合に委託するのは大きなメリットもあると思います。
また、資金繰りも大変な中、金額に関わらず3回に分けて分納できるのも助かるところです。

一方で、事業を拡大すると人数規模の都合で委託できなくなるので、事業を拡大する中で徐々に自分でできる体制を整えていかないといけなくなります。

社会保険労務士法人などが事務組合をやっていると人数規模が大きくなってもそのまま手続きを委託できるよ

社労士法人は多少相場は上がりますが、給与計算や他の社会保険の手続きも任せられるのは良いところだと思います。

事務組合を脱退するとき

事務組合を脱退することは「委託の解除」となります。
手続きとしては、事務組合に「労働保険事務委託解除通知書」を要求し、提出します。

同時に「保険関係成立届」を労働基準監督署や公共職業安定所へ提出し、新たに保険関係を成立させる手続きをします。

事務組合に委託していた時の労働保険番号は廃止になるので使えなくなるよ

おわりに

スタートアップの時はできるだけ本業にちからを入れたい時なので事務組合は活用できると思います。

使う時は、料金やサービス、組合の雰囲気(相性)もさることながら、自社の人数をどう増やしていく(増えていきそうか)も考えて委託を検討するとよさそうです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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