障がい者雇用を進めるポイントについて

08_ダイバーシティ

こんにちは、みのりです。

私は一般企業で10年ほど障がい者雇用を進めてきました。
今回は、自社で障がい者雇用を進めていくポイントについて書いてみたいと思います。

うまく進めるためには計画的に、継続的に取り組むのが大事だよ

  • シミュレーションする
  • 必要な採用数を決める
  • 職域を開拓する
  • 採用する
  • 定着に向けたフォロー

シミュレーションする

障がい者雇用を進める時に、まずは現時点の実雇用率を把握した上で今後5年程度でどうなっていくのかシミュレーションして確認します。

実雇用率へ影響するものとして、以下が考えられます。

プラスの影響・障がい者の採用
・従業員の障がい者手帳取得
・障がい者以外の従業員の退職
マイナスの影響・障がい者の退職
・障がい者以外の従業員の採用

例えば、スタートアップの会社は「障がい者以外の従業員の採用」がどの程度拡大していくのかがポイントになってくるでしょうし、従業員の年齢が高めの会社は雇用する障がい者の定年などでどの程度抜けていくのかがポイントになってきます。

必要な採用数を決める

今後、どのくらい障がい者を雇用していくのかと考えた時、自社のシミュレーションだけでなく法定雇用率の改定も念頭に入れて必要な採用数を決めていきます。

というのも法定雇用率は5年ごとに見直されますが、2018年に精神障がい者の雇用義務化(算定式に算入)となったため、今後、さらに法定雇用率が高くなっていく可能性もあるからです。

ここ10年で法定雇用率は0.5%も引きあがっているよ

1960年現場的事業所:1.1%
事務的事業所:1.3%
身体障がい者のみ
1968年1.3%
1976年1.5%※ここから雇用義務化
1988年1.6%
1997年1.8%知的障がい者も雇用義務化となる
(法定雇用率算定式に算入)
2013年2.0%
2018年2.2%精神障がい者も雇用義務化となる
(法定雇用率算定式に算入)
※激変緩和措置
2021年2.3%※激変緩和措置

2018年の法定雇用率改定時は2.42%と算出された数字に対して、2.2%、2.3%と激変緩和措置が取られています。
今後の法定雇用率改定の動きを注視しておくと良いです。

職域を開拓する

障がい者の人にどんな仕事をしてもらうといいんだろ?

ここは本当に悩ましいところですが、職域が開拓できないと採用に結びつきません。
職域開拓の考え方は2つ

  • 職場で健常者と同じ仕事で働いてもらう
  • 仕事を切り出して個人またはチームで働いてもらう

となります。

これに障がい特性を考慮しながら、自社内にどんな仕事があるか、どんな雇用形態・処遇で雇用していくかを考えていきます。

障がい者雇用を開始した頃は人事部門での仕事を切り出していくことが多いですが、会社の規模が大きくなっていくと人事の職域だけの雇用は限界を迎えます。

全社会議などの場をとおして障がい者雇用の現状を報告しつつ、職域開拓への協力をお願いしていくことをオススメします。
1部門でも協力してくれる部門が出てきたら、職場は仕事を切り出し、人事は仕事ができる人材を探すといった形で連携して雇用拡大を進めていきます。

職場が協力してくれる時は人件費負担の考え方も整理しておくといいよ

採用する

職域のターゲットが決まったら採用活動の開始です。

障がい者は基本的に外部からの採用となるので、どの媒体を使うか?が検討ポイントになります。

障がい者雇用に不慣れは会社は中途採用から始めるといいですよ

なぜ中途採用がいいのか?というと、

  • 新卒採用は大手企業の活動が活発で囲い込まれており費用対効果が割に合わない
  • 学生(応募者)も勤務経験が少なく、業務で必要な配慮が一般的な話になってしまう
    (実際に働いた時に必要な配慮が違うことがある)
  • 職業紹介事業や支援機関など採用する時に協力してくれる事業者が多い

というようなことがあります。

健常者と同じ仕事で働いてほしい場合はハローワークや有料職業事業者を利用するといいでしょう。
仕事を切り出してチームを立ち上げる時は、支援機関とタイアップすれば障がい者の紹介だけでなく、業務プロセスの作り方もアドバイスしてくれます。

仕事を切り出してチームを立ち上げる時は指導員の確保も同時に進めます

指導員は切り出す仕事の実務を知っている人で障がい者雇用に納得してくれた人に任せるといいです。

定着に向けたフォロー

採用した人が安心してスムーズに仕事に入っていくためには適度にフォローが必要です。
障がい者雇用においては

  • 職場メンバーへの障がい特性や就労上のポイントの説明
  • 入社前の職場確認とバリアの解消
  • 入社後の面談(本人および上司)

などを行うと職場メンバーも入社してくる障がい者の方も安心できます。

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構からマニュアルも発行されているので、活用するといいでしょう。

職場の人もどう接していいか分からないので、本人だけでなく、上司や職場メンバーへのフォローも考えます

おわりに

障がい者の採用は売り手市場が続いています。
採用したいと思っても自社のニーズに適った人材がすぐに採用できるとは限らないのが現状です。
今後も法定雇用率が引きあがる可能性がありますので、計画的に継続的に活動していかないと難しいでしょう。

障がい者雇用は社内で理解があることもうまくいかせるポイントになってきます。
経営トップからメッセージや教育、社内で働いている障がい者の方の紹介など理解促進の取り組みも併せて行っていくことをオススメします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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