こんにちは、みのりです。
人事評価では必ずと言っていいほど

評価に納得できません!
という声が出てきます。
HR Pro によると、評価に不満を感じている人は
- 評価結果に納得いかない
- 評価者が信用できない
- 評価理由に納得感がない
とのこと。
引用元:
HR Pro 「8割以上が人事評価に満足せず。「人事評価」に関する実態調査から見えた不満原因とは」
今回のブログでは評価の納得感を高める方法を考えてみたいと思います。
評価面談あれこれ
評価の理想は、
- 立てた目標を合意していて、
- 期中に進捗確認とフィードバックがあって、
- 期末に振り返りの面談があること
このサイクルをきちんとまわすことができれば、評価結果への納得性が高まるだけでなく、成長にもつなげていくことができます。
しかし、現実は

それ、期中に言ってよ
という、最後の最後でダメ出しされるパターン

…っていうか仕事知らないよね?
という、上司が仕事内容が分かっていないパターン

そういえば面談なんてしてないよ
という、そもそも一度も面談をしないパターン
…があるのではないでしょうか?
期中に1on1をやっているものの、上司だけが話して終わるとか、進捗が悪いと詰められるだけということもあるかもしれません。
これでは、評価面談が機能しているとは言えない状況です。
評価面談が機能していない時の影響
このような場合、個人にとっても組織にとってもネガティブな影響があります。
- 部下のやる気を下げる
- 上司、部下の信頼関係を損ねる
- チームの生産性が下がる
部下が不満を積もらせていくと、会社に見切りをつけて転職してしまうかもしれません。
また、期中も期末も詰める上司の場合、部下はメンタル不調に陥ってしまうかもしれません。

評価の本来の目的は人材育成です
評価は事務的になりがちなので、本来の目的を忘れずに進めていきたいものです。
実は目標設定が重要
評価の仕事では、面談することや結果を公平につけることに意識がいきがちですが、実は目標設定がキモになります。
かつて、社内で実施した従業員アンケートがあまりにも評価に不満が多かったので、「何でそんなに不満が多いのか?」と全員(約700名分)の評価シートを読みこんだことがあります。
そこで分かったのは、

評価結果より目標設定が大事!
だということ。
良い目標というのは、いつまでに、何を、どのように…といったことが具体的に、数字も使って書かれていました。
例:毎月20件訪問する、9月までにロスを3%まで低減させる、など
これだと、上司と部下で目標のレベル感をにぎりやすくなるし、部下としても行動につなげやすくなります。
一方で、「元気にあいさつする」といったあいまいな目標も。
「元気」は上司と部下で感覚が一致するとは限りません。
部下は「元気」と思っていても、「上司」は「元気がない」と思うかもしれません。

これでどうやって評価をするというのか?
というのが正直な感想でした。
(そして、評価制度が機能していないという反省も)
評価を納得いくものにするコツ
目標設定のポイント
先にも書いたとおり、目標が具体的で行動につながるものにするのが大事です。
そして上司は仕事の難易度をできるだけ適切に判断できるようにします。
例えば上司が異動したてでチームの仕事が分からない場合は、部下に仕事の内容を確認したり、前任者や上司と難易度の確認をした方がいいです。
担当者が、自分でシミュレーションして、全社横断的な方針や行動計画を立てて、関係者と合意をとって、中期計画に反映して、販路を開拓して、計画を進める…ということを一人で回しているのに、異動したての上司は仕事が分かっていなかったために、この仕事の難易度を「普通」としたことがありました。
それではモチベーションを下げてしまうので、仕事の難易度も初めに合意を取っておくといいでしょう。

ちょっと背伸びすれば達成できるような難易度の目標にするといいですよ
期中のポイント
期中の面談は期末の面談より大事かもしれません。
なぜそう言うのか。

部下が言い分を言えるから
期末の評価面談は、上司が評価を決めてしまったら部下に言い分があっても反論するチャンスがありません。
ですので、期中に面談を実施して業務の進捗を確認し、指導を行い、本人の言い分を聞き、時には目標の軌道修正をかけていくことで、期末の結果の納得性が高まっていきます。
期中の面談は、育成が目的です。
業務目標を通して成長したこと、暗黙知になっていることを見える化していきます。
「できてない案件をどうするのか!」と詰めるのではなく、どうしたらできるようになるかを上司と部下で考えて、今後の行動につなげていくことです。
面談の頻度は部下の習熟度によりますが、少なくとも月1回は行うとよいでしょう

期初に半期分の面接日程を先に予定を入れてしまうと確実にできるよ
評価結果のポイント
期中のフィードバックをしっかり行っていれば、たとえ目標が未達成だったとしても部下は納得します。
逆に、期中に面談せず最後に「できていなかった」という評価をくだされたら、部下は「期中に何にも指導をしなかったじゃないか」と不満につながります。
期末の評価結果は、昇進、昇給、賞与など、部下の生活にも関わってくるので、その不満は相当大きなものになります。
目標の達成度合いなどはきちんと伝えないといけないので、なるべく客観的に冷静に。
そして、できていた部分や改善が必要な部分をセットで伝えて、次の目標に前向きに取り組めるようにしたいところです。
人事担当としてできること
人事制度の本来の目的は目標をとおして仕事にチャレンジし、部下の成長につなげていくものです。
評価結果を事務で使うこともありますが、職場には本来の目的を達成できるようメッセージを出していくのが大事です。
また、期中にフィードバック面談を実施するよう通知を出したり、評価シートを確認して目標設定があいまいなものについては個別に上司・部下をフォローしていくと現場で運用がまわっていくと思います。
おわりに
評価の運用は、正直、手間がかかると思います。
制度の運用をなるべく簡易なものにしていく改善をしつつ、本質的なところ(人材育成、職場の生産性向上など)はしっかりやっていきたいところです。
あいまいな目標設定ではなく、具体的で行動につながる目標設定を。
そして、期中の進捗確認で指導や本人の言い分を聞くといったコミュニケーションを。
そうした積み重ねが、納得性を高めていきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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