人事関係書類の保管期限をまとめました

10_知っておきたいルール

こんにちは、みのりです。

人事のお仕事はさまざまな書類を扱います。
法律によって保管期限が決まっているものもありますので、今回は書類の保管期限をまとめてみました。

たまに行政が監査に来るので今のうちに整理しておくといいよ

人事関係書類と保管期限

人事・労務関係書類の保管期限は、労働基準法や安全衛生法、社会保険関係などの法律によって定められています。

人事労務関係

・重要な人事に関する書類
・表彰や懲戒に関する文書
永久保存
労働者名簿5年
(当面3年)
労働者の死亡、退職又は解雇の日から
・雇入れ、退職に関する書類
→採用起案、雇用契約書、労働条件通知書、
 履歴書、退職願・退職届、解雇予告除外
 認定関係書類など
5年
(当面3年)
労働者の退職又は死亡の日から
年次有給休暇管理簿3年有給休暇を与えた期間
(年次休暇を付与した日から1年間)
とその後3年間
・災害補償に関わる書類
→診断書、補償の支払いや領収書など
5年
(当面3年)
災害補償を終えた日から
・その他労働関係の重要書類
出勤簿やタイムカード、残業命令書、
 残業報告書、休職・出向に関する
 書類など
5年
(当面3年)
完結の日から
・労働基準法にもとづく労使協定
三六協定
5年
(当面3年)
完結の日又は期間満了日から
・企画型裁量労働制に係る労働時間の
 状況等に関する記録
・専門型裁量労働制に係る労働時間の
 状況等に関する記録
・高度プロフェッショナル制度に係る
 同意等に関する記録
・高度プロフェッショナル制度に係る
 労使委員会の議事録
・労働時間等設定改善委員会の議事録
・労使委員会議事録
5年
(当面3年)
記録を完結した日から
・企画業務型裁量労働制等に係る労使
 委員会の 決議事項の記録
5年
(当面3年)
有効期間の満了後から
・障害者であることを明らかにできる
 書類
→身体障害者手帳(写)、療育手帳(写)、
 精神障害者保健福祉手帳(写)
3年労働者の死亡、退職又は解雇の日から

参考URL
・厚生労働省 改正労働基準法等に関するQ&A

給与関係

賃金台帳7年最後の記入をした日から5年(当面3年)
※国税通則法では賃金台帳(源泉徴収簿)は7年の
 保存が義務づけられているため、7年と記載
給与所得者の基礎控除申告書
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
給与所得者の配偶者控除等申告書
・給与所得者の保険料控除申告書
・給与所得者の(特定増改築等)
 住宅借入金等特別控除申告書
退職所得の受給に関する申告書
7年その申告書等の提出期限の属する年の
翌年1月10日の翌日から【所得税法】
・賃金に関する書類
→賃金決定や昇給・減給に関する書類
5年
(当面3年)
完結の日から

労働保険・社会保険関係

・雇用保険の被保険者に関する書類
→被保険者資格取得等確認通知書、
 被保険者資格喪失確認通知書 、
 被保険者離職証明書(控)など
4年完結の日
又は退職等の日から
・上記以外の雇用保険に関する書類
→適用事業所設置届(控)、
 事業主事業所各種変更届(控)、
 事業所非該当承認申請書(控)など
2年完結の日
・労災保険に関する書類3年完結の日
・労働保険料の徴収・納付等に関する書類
→保険関係成立届(控)、概算・増加概算・確定
 保険料申告書(控)、労働保険料 納付書・
 領収証書など
3年完結の日
又は納付日から
・健康保険に関する書類
→資格取得等確認通知書、
 資格喪失確認通知書、
 標準報酬月額決定通知書など
2年完結の日
又は退職等の日から
・厚生年金保険に関する書類
→資格取得等確認通知書、
 資格喪失確認通知書、
 標準報酬月額決定通知書等
2年完結の日
又は退職等の日から

安全衛生関係

・石綿等を取り扱う作業従事者の健康診断40年石綿等を取り扱う作業に従事しなくなってから
・石綿等を取り扱う作業の測定記録、
 測定結果の評価記録
・石綿等を取り扱う作業の記録
40年作成した日から
・特定化学物質健康診断個人票
  (クロム酸等)
・クロム酸等の空気中における濃度の
 定期測定記録
30年作成した日から
・放射線業務従事者の線量の測定結果記録
・除染闘電離放射線健康診断個人票
30年作成した日から
※ただし厚生労働大臣が指定する機関に
 引き渡すときは5年の保存で良い
・粉じん濃度の測定記録、測定結果の
 評価記録
・じん肺健康診断記録、じん肺健康
 診断に係るエックス線写真
7年作成した日から
・一般健康診断個人票
雇入れ時健康診断、定期健康診断
長時間労働者に対する医師による
 面接指導の結果の記録

ストレスチェックの結果の記録
ストレスチェックの医師等による
 面接指導の結果の記録

・特定化学物質健康診断個人票
  (クロム酸等を除く)
・高気圧業務健康診断個人票
・高圧室内業務の減圧状況の記録
・線量当量率の測定の記録
・放射性物質の濃度測定の記録
・放射線事故に関する測定の記録
5年作成した日から
安全委員会議事録
衛生委員会議事録
安全衛生委員会議事録
・救護に関する訓練の記録
特別教育の記録
・プレス機械、遠心機械等の
 定期自主検査の記録
3年作成した日から

その他関係書類

・労働組合との協定書永久保存
・派遣先管理台帳3年派遣終了の日から

書類を保管する時の注意ポイント

当面3年の「当面」はいつまで?

人事労務関係の書類の保管期限に「5年(当面3年)」と出てきます。
これは、2020年4月1日付で民法の債権が改正されたことで、労働基準法で規定していた書類の保管期限も見直されました。

改正労働基準法施行時に5年を経過した時点で見直しをすると言われていますので、2025年を一つの目安として法改正の動きをチェックしておくといいと思います。

マイナンバー関係書類は特に注意!

2016年からマイナンバー制度が開始しました。
→ マイナンバー制度については コチラ (総務省HP)

マイナンバー法では、個人が特定できる基本情報(氏名・住所・性別・生年月日)にマイナンバーを紐づけた情報を「特定個人情報」と定めていて、その特定個人情報の取得、保管、利用、提供、廃棄のそれぞれの場面について制限を設けています。

  • 給与所得者の基礎控除申告書
  • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  • 給与所得者の配偶者控除等申告書
  • 退職所得の受給に関する申告書

などの情報は書類だけでなく、データの削除も求められています。

マイナンバー関係の情報は年度ごとにまとめておくと廃棄の時にラクになるよ

保管していなかったらどうなるのか?

書類の保管期限は法律が根拠になっています。
ということは、関係する行政がたまに「監査」にやってきます。

この監査では、法定書類がきちんと作られているか?、適正に運用されているか?などが見られます。
「書類がない」という時点で、監査の指摘事項になってしまいます。
あまりだらしないと、「だらしない会社」と見られてチェックもより厳しく見られてしまいますので、今のうちから整理しておくことをお勧めします。

おわりに

自分でまとめてみて、改めて人事関係の書類だけでも種類が多くあるなと思いました。

実務では保管期限が定められながらも、捨てられないこともあります。
例:石綿の業務に就いていた人の労働に関する記録が5年では何かあった時に分からなくなる、など

そして、最近は紙書類とデータで情報を管理していることもあり、実は人事管理の工数は増えていたり、複雑になったりしています。

うっかり捨てちゃった…がないように、どこにどんな情報があるのか、点検が必要ですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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